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2月20日(土)21日(日)、
和歌山で農業を営む友人アイミと
「地域が支える食と農 神戸大会」というシンポジウムに参加してきた。
そもそも1月にうちにいらっしゃった父のお客さまと話している中で
このイベントを紹介してもらい、参加することになった。

有機農業のカリスマがたくさん来られていて、また、
海外の最新の面白い取り組みをいろいろと聞くことができた。


有機農業では、生産者と地域、消費者の顔の見える関係を
支えあう対等な関係性として「提携」と言うらしい。
そのまま外国へ渡り 「Teikei」ムーブメントとして各国で参考にされている。
まぁ、そんなに世界的にメジャーな分野ではないし、
特定の世界の人の話し合 いである、という感じはなくはなかったけれど
とても興味深い話ばかり聞けた。

私は農業の実践者ではないし、家庭菜園でも種へのこ だわりなど皆無だが、
分科会で「種をめぐる自立」という有機農業種子について、
自家採取(種販売企業から購入するのではなく)の実践農家 の方の
話を聞き、種販売というのがただのビジネスと言い切るには
とても奥深く、入念なカラクリが仕込まれた商売なんだと、考えさせられ た。
つまり、そこらで簡単に手に入る種は大抵が品種改良が加えられていて
繁殖能力が抑えられているというのか、毎年種が売れるように
改 良されている。それを泣く泣くでも受け入れたり、知らずに買っていたり
というところに、種ビジネスの先駆者はいたというのか・・

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URGENCI(ウー ジャンシー)というのははフランスが中心となり
日本を含む複数国の地域連携を基盤にした生産者と消費者の
パートナーシップの世界的なネッ トワーク。
いろいろな国に、似たような考えで、生産者と消費者を直につないでいこう
というグループがあるということか。
その URGENCI理事であるイタリア人のアンドリア・カローリ氏の講演で聞いた
イタリアのGASという運動はとても面白そうだった。
(GAS は頭文字なのだけど、イタリア語の頭文字なので
今ここでなんの頭文字かをお伝えできません。すみません。)
共同購入をする団体で、取り扱う商品は農残物に限らず、
さまざまな生活用品にまで及ぶそう。たとえば靴・Gパンなども。
小さなグループがいくつもあり、GASに登録していない団体も含めれば
1000くらいはあるらしい。
信頼のおける販売者から共同購入をするという単純な仕組み。

「持続可能な社会」といえば、環境の視点から考えることが多いけれど、
GAS は経済的、文化的な意味も含めて考えていこう、と
アンドリアさんは呼びかけていた。私はそこにとても共感した。

さまざまな分野を 超えて、社会にいる人として
全体的な視野で、食のこと、経済のこと、文化的なことに取り組んでいきたい
そのヒントをGASの運動からもら えたように思う。

実際そのように活動している人も多くいるので、
私も方向性としては、農に関わりながら、いろいろなひととつな がって
可能性を探っていきたいと思った。
ちょっと自分だけにしかわかりにくいことを書いていますが・・
「農」への敷居が低くなっ ているようで、以前高いままの日本で、
もっと気軽に農に関わる人が増えていったら面白いなぁと思う。

800人が参加し、世界15 カ国から参加、というから
このシンポジウムの注目度の高さがうかがえる。


さて、今回は京都の「使い捨て時代を考える会」 のお二人に
大変お世話になり、面白い話をたくさん聞かせていただきました。
一歩外に出ると本当に人様のお世話になりっぱなしです。。感謝 です。

京都精華大学の元教授槌田先生も最後のまとめのシンポジウムに
登壇されることになっていたのですが、その前にお会いできま した。
大学時代は私にその関心がなかったために授業はひとつしかとっておらず
もったいないことしたなぁと思うばかり。
アイミとし んのすけはゼミ生だったので、その影響をたくさん受けているように
思います。

今、うちの菜園では雑草がいきいきと茂り始め、
ほ うれん草の収穫が終わった後の土を耕すと、大人の親指ほどもある
幼虫や、ギラギラと赤紫に光る小さなクネクネの幼虫がぽろぽろ出ます。
そ の横ではニンジンだけが自慢できる大きさに生長し、
長期間寒風に耐えたブロッコリーが約半年を経て収穫可能な大きさに。

これから うちの倉庫では、蛇やらネズミやらが冬眠から目覚め
ときたま階段の下あたりで遭遇することになるのだろうし、
そのたびドキーーーーン!と するだろうし、ギャアーとか叫ぶだろうし
足長バチが凝りもせず、またいっぱいやってくるんだろうし、
ハッと気づいたらゴーヤが茂ってき て、カエルがあたりに増えてくるんだろう。
そんな毎年の自然の営みを「お見通しだよ」と思いたくても、
急にゴーヤの成長具合が悪かった り、
スズメが住みつき始めたり、ヤモリに一気に4匹も出会ったり、
いちいちいろんなことも組み合わさってきたり。

同じ景 色を毎年眺めていても、同じなんてことはちっともなくて。
自然は面白い。

寒さが戻ったのもひと段落なのか、
夜から外がな まあたたかくなってきた。
春がそろそろです。


地域がささえる食と農 神戸大会
KOBE Conference2010 Community Supported Foods&Farming
つくり手である農産地と消費地の距 離が広がり、
消費者の、食べものとその背後に存在する自然環境や生物多様性に対する
興味や理解・参加意識が 急速に失われつつあります。
残念ながらその「無関心」が、中小規模の家族経営農家の衰退につながっていくのです。

すべての人にとって食べものはいのちの 源です。

安心・安全でかつ持続可能な農業には、消費者の理解と支援が必要です。
本イベントが、自分達の口に入る食べものをもう一 度見直し、
「なぜ地域(=自分自身)が食と農とをささえなければならないのか」
「自分は、どのよう に食と農をささえていくことができるのか」を考え直すきっかけになれば、
と願います。

(公式ホー ムページより)