朝7時半に家を出て、地下鉄に乗って、阪急に乗って、十三で乗り換えて・・
はるばるやなぁ・・という頃やっと着いた能勢。10時。

私の友達であり、彼氏の親友でもある、荒木さんという人が農業をしてくらしています。

農業青年の家『一穂(いっぽ)』
http://ipponose.exblog.jp/


はるばると言いながらも県内なので、近いとも言えるのだけど
一度も行ったことがなかった能勢。正確には能勢のはしっこに近い地域。
けど、すぐ沖縄と比べてしまうけど、もう少し時間を小一時間ほどかければ
沖縄に行ってしまえる・・日本は広いのか狭いのか。


紙芝居やさんでもある彼には、私が3月までしていた仕事で、
ラジオ番組に出演してもらったことがありました。
いい声の、単語に味のある、さわやかな人です。



それで、まぁいつものごとく、私の乗る市営地下鉄女性専用車両と
阪急電車のマナーの悪さ、これはけっこう最悪レベルじゃないかと思うのだけど
それについてひとしきり報告。
(帰りもなんら変わらず、私座ったのに一駅で立ちましたけど!)

だって、もう誰も席を譲らない。年寄りと妊婦にかなり冷たい上に
携帯と化粧と音楽の音漏れ。
絵にかいたような悪マナー。
女子高生が本当にだめだが、大人も引けをとらず、だめだ。

初めて電車に乗ったのか、なにかおそろそく抱えているものがあるのか、
そういう人が半分だとしても、後の半分はたいがい、私と同じ
適度に疲れているかもしれないが健康そのもので、
特に性格が良いわけではないが、それくらいの常識は持ち合わせている上、
別に率先して席を譲りたいわけでは決してないのに、ええええ?と思いながら
譲る・・・
という人ではないのか?という気持ち、どうしても拭い去れない。

荷物が超多かったり、徹夜明けだったり、化粧をしなければ殺されたり、
携帯をいじくらなくては身に危険がある、
それくらい、平常時とは違う状況じゃない限り・・・・

など、しょうもないことを考えてみるのは、
またアタシなわけね・・と、席を譲って作り笑いをして立ったあと。

たまたまだなんて言わせないわけです。
阪急はともかく、私、地下鉄は年間300日近く乗ってきたのです。
平均を、少しは語ってもいいんじゃないか、と。

平日昼間ののせでん(能勢電鉄)は、とても空いていたから、そんな心配はなかったけど。


たとえば、昨日、阪急で、
レギンスにスカートを合わせてリュックを背負った、推定女子大生。
つんとすましてうしろをむいたら、スカートがレギンスに詰まって、お尻丸見え。
なかなか目が合わないので、ほかの人に気付かれないように彼女に
ジェスチャーで「見えてるよ」の合図。
なぜかキレ気味にサッと直して、また、ツーン・・・・。
こんなことなら、お尻丸見え女子、大学に見送ればよかった・・・。
あなた、よそではちゃんとご挨拶できてるのよね?


あいさつとかさ、コミュニケーションとかさ、
けっこう大事だという話を荒木さんとした帰りだったから余計もやーーんとした。
私はけっこう痴漢など発見したり、万引きを通報したり、
自分では助けられないけど、「通報」とかはよくするんだけど、
こないだはこんなことがあった。

いつもの女性専用車両に、ドーーーーンと派手に隣の車両から男の人が乗ってきて
なんかすごくイラついたようすでドシドシ入ってきて、なんと!
向かいに座っていた女性の足を、男は後足で蹴り上げて(!)ドアが閉まる寸前
降りていった。
あまりにも一瞬の衝撃的なことで、とにかく「だいじょうぶですか!?」と声をかけた。
幸い怪我はなさそうで(?)となりに友達の女性もいたけれど
一瞬ざわついただけで、なにもなかったような車両の隣近所。
しかも、その友達の人、なぐさめるとか、「アノ人なんなのよ!」と一緒に怒ってあげるとか
足をさするとか、なんかケアがあるだろうと思うのに、なにもなかったように
自分の仕事の愚痴を続けた。蹴られた女性は痛そうだったけど、そのままだった。
終点まで一緒で、私はどうしても気になったので
降りてからその二人に「駅員さんに言ったほうがいいんじゃないですか」と声をかけた。
二人とも、は?何この人と言わんばかりに苦笑気味だった。
いや、あんた被害者やし。あんた、友達蹴られてるし。
いや、あんたら良くても、次を防ぐためにせなあかんことあるでしょうが・・



なんで私がおせっかいおばさんしたかというと、言わないと駅側にわからないからだ。
以前同じ電車で痴漢を見かけて、被害者女性は即降りてしまい、
それを終点で駅員に通報すると、「あなたじゃないんですね?本人でないとどうしようもないんです」
と言われたからだ。
たしかに、そうだけど、ふたたび別の痴漢を見たときも同じことだったので
「もっと社内を巡回するとか、対策を駅側も考えてください」と
無理なお願いをしつつ、声を出せない自分を反省した・・けど、なかなか怖くて言えない。

車内でいきなり人に蹴られたなんて、当然犯罪なのに、
こうやって水面下でもみ消される、明るみに出ない犯罪、嫌がらせ、非常識がなんと多いことか。
でも、とにかく見て見ぬ振りいけません!

結局強引に駅の人のところに報告に行かせたけれど、
こういう行動、気持ちを私以外どなたもしていなかったことがとても恐ろしいと感じた。


ヨガインストラクターの芥川舞子さんという女性がこんなことを書いていた。
http://maiko-akutagawa.blogspot.com/2010/05/blog-post_08.html
心底、共感。絶対読んで欲しい。
芥川舞子さんのような気持ちの人もいる、と思いながらでないと電車に乗りたくなくなるわ。


最後にこの詩を。
ずっと前にも同じようなことを書いたとき、教えていただいたのです。



「夕焼け」

いつものことだが
電車は満員だった。

そして
いつものことだが
若者と娘が腰をおろし
としよりが立っていた。

うつむいていた娘が立って
としよりに席をゆずった。
そそくさととしよりが坐った。

礼も言わずにとしよりは次の駅で降りた。
娘は坐った。

別のとしよりが娘の前に
横あいから押されてきた。
娘はうつむいた。

しかし
又立って
席を
そのとしよりにゆずった。

としよりは次の駅で礼を言って降りた。
娘は坐った。

二度あることは と言う通り
別のとしよりが娘の前に
押し出された。
可哀想に

娘はうつむいて

そして今度は席を立たなかった。

次の駅も

次の駅も

下唇をギュッと噛んで

身体をこわばらせて――。

ぼくは電車を降りた。

固くなってうつむいて

娘はどこまで行ったろう。

やさしい心の持主は

いつでもどこでも

われにもあらず受難者となる。

何故って

やさしい心の持主は

他人のつらさを自分のつらさのように

感じるから。

やさしい心に責められながら

娘はどこまでゆけるだろう。

下唇を噛んで

つらい気持で

美しい夕焼けも見ないで。

「吉野弘詩集」吉野弘著(ハルキ文庫)